大黒舞と恵比須舞(告知もあります)

今年はなんだか雨が少なく毎日好天が続いていましたが、今日は久しぶりの雨。
農作物にとっていい恵みの雨でしょうか。田畑の作況が気になる今日この頃。
基本的に放置農法を実践している私の家庭菜園もすくすくと雑草が生い茂っています。

さて、こちら熊石では、日差しも気温も急上昇。連日夏日が続いています。
海で遊んだ子供達が、髪の毛を濡らしたまま、自転車で走る姿を見かけます。
近所の子供達が、夏祭りを待ちきれず、笛の練習をしています。
夜、イカ釣りの漁火を横目に見ながらコンビニへ向かうと、駐車場でクワガタを発見しました。
気が付けばもう夏ですね。おっととっと夏だぜ。

話は代わって、先日、熊石地域にある特別養護老人ホームくまいし荘で、6月の誕生会がありました。
この度、入所・利用者で6月の誕生日の方は6人おり、最年長は100歳。
めでたく百寿を迎えられたということで、七福神に扮した職員による祝福芸の大黒舞と恵比須舞が行われました。

「舞い込んだ~、舞い込んだ~」の掛け声とともに七福神に扮した職員が会場に入場し、大黒様に扮した職員が、両手に持った打ち出の小槌を振りかざしながら踊り、恵比寿様に扮した職員が、アドリブを交えながら大物の鯛を釣り上げると会場からは大きな拍手が沸き起こりました。


打ち出の小づちを両手に舞い踊る大黒様

見事な鯛を釣りあげた恵比寿様

さて、この七福神による大黒舞と恵比寿舞。熊石地域では昔から男42歳の年祝いの宴の席や、還暦等のお祝いの席等で行われてきました。

そもそも大黒舞とは、室町時代から江戸時代にかけて行われた門付け芸の一つで、七福神の大黒天に扮して打ち出の小槌を持って家々の門口に立ち、新春を祝い歌って踊るものであったそうです。
道南でも「松前紀行」(平尾魯僊著)によると、「正月に至れば大黒舞というもの有りて、いろいろ祝詞をいいて銭を貰い歩き行くなり」との記述があるそうです。(函館・道南大事典より)
七福神が全員揃うと、七福神舞や七福神踊とも呼ばれ、それらは日本各地に広まり、今でも民俗芸能として残っているものも数多くあります。

今回の大黒舞の歌詞も、今から20年以上前に、施設長が「だれかがどっかの爺さんから聞いてきた」というもので、まさに口伝。

ちなみに歌詞を書き出してみると

1 あ~、舞い込んだ。舞い込んだ。七福神が舞い込んだ。あ~舞い込んだ。
大黒と言う人は、唐の人でもない、日本の人でもない、天竺、天の人なれば、
日本へ渡ったその時に、錦の笠を取られ、色は黒いが笑い顔が大黒じゃ~。
2 さて大黒の持つものは、エメン小袋に大づつ、小づつ、そら一振り振れば壱萬両
二振り振れば弐萬両、三振り振れば参萬両
ほ~ら、一に俵を振りまいて 二ににっこり笑い 三に盃頂いて 四つ世の中良いように
五つ泉が湧くように 六つ無病息災に 七つ何事無いように 八つ屋敷をたいらげて
九つ米蔵打ち立てた 十に納めた宝物おば この家のご主人様にそっくりおあげします。
あ~、めでたいな~、めでたいな~。
あ~、大黒舞とも、はやしめよ。大黒舞も、みっさいな、みっさいな。

歌詞を見ると福島町の松浦七福神舞や青森県坂柳町の表町七福神舞にも似たフレーズが見られます。この辺は定型的なフレーズなのでしょうか。これらの類似点から意外と明治、大正時代に青森辺りから伝わったのかもしれませんし、従前からあった大黒舞に流行りのフレーズがミクスチャーされたものなのか・・・どこからどうやって伝わったかはわかりませんが、おそらく歌詞の内容もその時代時代に応じて変遷してきたのでしょうか。

と、今回はちょっとマニアックな話題に脱線してしまいました。

マニアックと言うことで、今まで使われていなかった「熊石オタク」のカテゴリにダイレクトエントリー。

【告知!】
7月5日(金)午前9時55分頃から、HTB「情報マルシェ」の番組内で、熊石の海洋深層水が紹介されます。皆様、是非ご覧ください。

投稿者 Rodrigues


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