NT4.0の悪夢再び

ども。
インフルエンザ予防のためマスクを着用中の担当ちゅんです。

さて、昨年7月に「窓 NT4.0」というタイトルで記事を書きました。町内のとある施設にあるWindows NT4.0のシステムにプリンタドライバを導入する苦労話でした。その記事では「もうNT4.0なんて触ることないでしょうね~」と結んでいたのですが、まさかの、悪夢再び。
前回とは別の施設で稼働中だったNT4.0のマシンが故障し、業務システムを起動できなくなったとのこと。

今の時代に、なぜNT4.0を使い続けているかといえば、理由はただひとつ。設備を制御するためのシステムが1点モノのオーダーメードなため、パソコンを交換するとなるとシステムそのものから作り直す必要があり、多額の費用が発生するから。だからといって、20年も前の端末をいつまで使い続けるのかという話なのですが、当室の社是ならぬ「室是」ともいえる「最小のコストで最大の効果」を実現すべく、ダメモトで修理にチャレンジすることになりました。

その機械ですが、スペックはペンティアム2の400MHzにメモリが320MBと、当時では超ハイスペックであったことが伺えます。また、基板上のコンデンサに見た目上の問題はなく、20年近く稼働させてきたとは思えないようなコンディション。ベースになっているのは小売りされているパソコンとは違う、業務用の「ファクトリーモデル」と呼ばれる堅牢な機械なのですが、それでも「素晴らしい」としか言いようがありませんでした。

で、前置きが長くなりましたが修理です。症状を確認してみると、OSはきちんと起動するものの、CPUの負荷が常に80%以上になっており、アプリケーションの起動ができないようです。今回は、あらかじめ保守業者さんにより原因の箇所がある程度特定されており、「ボードのグラフィック故障」とのこと。調査結果の報告書を見てみると、
・スタートアップから業務アプリを削除するも症状変わらず。
・HDDを交換しOSをクリーンインストールするも症状変わらず。
・メモリを正常品と交換するも症状変わらず。
・拡張ボードをすべて外しても症状変わらず。
と、同業者(といっては失礼ですが)として尊敬できるレベルで検証を行って頂いていたことがわかります。最終的には「HDBENCH(ベンチマークソフト)にてスコア計測したところ、グラフィックの数値が著しく低い」ということを発見したと記されておりました。

ボードですか・・・。これは厳しい案件です。基盤を見てみると、どうやらPCI(Eではない)に1か所空きはあるようで、もしかしたらここに拡張グラフィックボードを挿せば症状を回避できるかもしれません。しかし、20年も前の筐体で、しかもOSはNT4.0です。偶然手元にあったPCIのグラボを挿して起動を試みますが、BIOSすら上がってきません。どうやら、相性もあるようです。いまどき、そんな時代のボードなんていくつも入手することは困難ですし、これは素直に「筐体交換」になりそうです。同じOSが稼働している端末に交換するのであれば、システムの再導入だけで済むでしょうから。悔しいですが、修理はお手上げということで原課にお返ししました。

単純にシステムを稼働させるだけであれば、ディスクイメージをとって最新のマシン環境上で仮想マシンとして動かすことも可能かもしれませんが、SCSIやらシリアルやらで計器類と接続されているシステムなので、おそらく厳しいでしょう。そもそも、勝手にそんな環境に作り変えてしまったら、保守業者さんから「対応不可」と言われかねません。今の時代にこんな苦労をしているとは、20年前の導入時にはおそらく考えもしなかったと思います。業務システムのリプレイスは、やはりあらかじめ想定して計画的に行わなければならないということを再認識しました。

筐体内部の写真
某国産メーカーのファクトリーモデル。日本のモノづくりの凄さを感じます。

(投稿者:ちゅん)


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