あげる?やる?

3年生は今、国語の授業で敬語について学んでいます。大人でも正しく使えているのかどうか分からない敬語…難しいけれども真剣に取り組んでいる様子が見られます。3年生は高校受験が控えているので、面接の時に正しい敬語が使えないと困りますよね…

今日の授業では、「花に水をあげる」という文について話しました。一見しただけでは不自然に思わない人も多いのではないでしょうか。実は「あげる」という言い方は「差し上げる」よりも軽い謙譲表現であり、この言い方では花に敬意を向けているということになります。正しくは「花に水をやる」と言います。

「やる」は本来、自分と同等の人や目下の人に普通に使える表現なのですが、「乱暴だ」「ぞんざいだ」と感じる人が増え、その代わりに「あげる」という言い方をするようになってきたようです。さらに、この言い方が正しいと思ったり、言葉の変化だと考えて「あげる」を使う人も多いようです。

こうなると、「あげる」と言うことが間違いであると決めつけることもできないような気がしますね。この場合の「あげる」は、本来の謙譲表現を離れ、「お水」や「お花」のような美化語の一種ととらえた方が適切なのかもしれません。
                                                                                                                                          (S・M)


カテゴリー: 日常 パーマリンク